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特定非営利活動法人マザーリンク・ジャパンでは、東日本大震災におきまして復興支援活動をしています。



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被災地の『ひとり親家庭の現状

日本の母子家庭の貧困率は48%。貧困の定義は年収117万円以下ということです。つまり一ヶ月10万以下の収入で生活している家庭が半数もあるということ。これは先進国の中で最下位です。特に被災地では津波で実家を頼れなくなったり、シングルママやシングルパパ自身が仕事を失い、収入が激減するなど、ひとり親家庭の貧困』が深刻となっています。こういった実態そのものを、広く社会に啓蒙する必要があり、養育費についての法整備も必要と感じています。また、ほとんどの家庭が生活保護を申請していません。メディアで不正受給の問題が取り上げられたことによって、『生活保護=恥ずかしいこと』と感じている方が多く、それゆえに生活保護家庭の生活水準(月18万円程度)よりもはるかに低い水準の生活を強いられているのです。しかし、比較的児童扶養手当等を受給することには抵抗がある方は少ない。同じように生活保護と同等程度の、しかし、『ひとり親家庭』が堂々と受けられる支援の枠組みが必要だと考えています。

2014.5.18更新

1、父子家庭の状況と課題
    震災以前からの父子家庭よりも、震災で父子家庭になった家庭が大変。子どもに家事の手伝いなどさせず、全てひとりで抱え込み家事に一切をお父さんがひとりで頑張って疲弊している。また小さな子どものいる家庭よりも、思春期の女の子がいる家庭が大変そう。それまで子どものことは母親任せにしていた家庭が多く、いきなり子どもと二人になり、どう向き合ったら良いのかわからない父親が多い。
    あるお父さんは高校生のお嬢さんのことで悩んでいた。津波でお母さんが亡くなったが、それまでは普段からあまり話もしたこともなく、震災後はますます何を話したらよいのかわからず、一緒にいてもあまり話をしない。生理の血液で汚れた下着やシーツをお父さんが洗っていて、「これではいけない」と思いつつも、普段から会話がないこともあり、どうしたらよいのかわからず悩んでいた。「普通のおうちでも女の子は生理がきたときから、下着ぐらいは自分で洗うようにお母さんが躾けるんですよ。うちの娘は自分の服は当たり前のように自分で洗わせていましたよ。子どもにお手伝いさせないというのは実はひとり親家庭の特徴だけど、子どもの成長にはお手伝いをさせたほうが良いとわかっているご家庭では、お手伝いをさせてるんですよ。・・・・」と一回目の訪問でそのような助言をした。3回目に訪ねたときに「自宅を再建したから仮設を出ることになった。」とのことだったので「じゃあ、もうお会いできないんですね。」と言ったら、「な~に、すぐそこだから、また来ればいいさ。」と言って新居の住所と電話番号を教えてくれた。そして、「引越したら洗濯物の籠も別にして、置き場所に別にするよ。引っ越したら自分の物は自分で洗濯するんだぞ。って言えたよ。ああいって言ってもらって本当に助かった。」と言われた。目に見える成果だったことと、頼っていただいていると実感できた嬉しい体験だった。

2、母子家庭の状況と課題
    昨今になりやっとNHKの朝の番組でも取り上げられたが、日本の母子家庭の貧困率(年収117万円以下で暮らしている家庭)は48%である。これは生活保護家庭よりも低い所得で暮らしているということになる。同じ母子家庭でも実家を頼れるか頼れないかで大きく違う。母子家庭の場合は、震災で母子家庭になった家庭より、震災前からの母子家庭のほうが大変。震災で母子家庭になった家庭には、あしなが育英会はじめ、義援金や、亡くなった父親の生命保険金が入ったケースも多く、直近での経済的な不安は聞かれない。それに対し、震災前からの母子家庭は経済的にも大変。震災で安定した職を失った母親も多く、3人の子どもを持ち3つのパートを掛け持ちしている母親さえいる。陸前高田では女性がフルタイムで就ける仕事は少なく、母子家庭の母親のほとんどがパートタイムで生活を支えている。やはり思春期の子ども3人いるある家庭では、震災前までは離別した父親から入っていた養育費が、父親が津波で亡くなったことでなくなり、経済的に不安で仕方がないと打ち明けてくれた。子どもの靴のサイズが22cmなのに靴が買えずに21cmを我慢させている、学校の体操着等以外の服も買ってやれない、と言った母親もいる。また、祖母が津波で流されたことで曾祖母、祖父、保育園児の子どもを抱えている母親は、歩合制の仕事をし収入は月8万程度、子どもの世話の他、痴呆症の曾祖母の面倒を見に仕事の合間に一日に何度も仮設に戻り、朝昼晩の食事を含め一切の家事も一人で引き受けている。このような生活をしているお母さんたちにはどこからも救いの手は差し伸べられていない。
    この地域の特性で、子どもに何かやらせると「子どもの面倒をちゃんと見ていない。子どもにやらせるなんて可哀相に。」と言われてしまう。このような状況もあって、子どもに家事負担をさせずに一人で頑張っている母親が多く、疲弊している。
    やはり、思春期の男の子を抱えた家庭では、子どもとの向き合い方に悩んでいる母親が多い。子どもの暴力に悩まされている母親もいる。子どもの首を絞められたと言うお母さんもいる。訪問した他の家庭では仮設のドアの凹みも息子に蹴飛ばされたと言っていた。
    それなりに収入がある職についているお母さんであっても、もともと一人っ子で祖父母も近い親戚もみんな津波で流され、子ども二人と自分だけが残ったということで、本当に心細いと言っていた。
3、共通の課題
    ・学校への送迎の問題
    校舎が津波で流された学校が多く、仮校舎は必ずしも入居する仮設に近いわけではない。中学校ではスクールバスも出ている学校もあるが、部活動で遅くなるような場合には利用できず、親が迎えに行く。ひとり親家庭の場合は、どうしても迎えにいけない日には、部活動を休ませるという。陸前高田は部活動が盛んな地域で、ほとんどの子どもたちが部活動に入っている。小学生のいる家庭でも、朝は歩かせるが、スポ少などやっている子どもが多く、帰りは暗くなり危険だということで、親の迎えが必要になる。高校生では、大船渡にある高田高校の仮校舎に通う生徒だけがスクールバスを利用でき、大船渡高校や大船渡東高校に通う生徒には、そういった支援は一切ない。陸前高田から大船渡高校までは車で片道40分程度であり、ある『ひとり親家庭』の母親は朝夕往復一時間以上かけ送迎し、自分も通勤しなければならず、毎日の送迎で疲れ切っている。また3人子どもを持つある家庭では、それぞれ学校が違い、受験生を先に家に帰さなければならないということで、それぞれの学校と家とを3往復し、それだけでも疲弊している。
    夫婦が交代で送迎できるわけではないので、『ひとり親家庭』にとって、送迎の負担は大変大きなものである。
    単に送迎が大変というだけでなく、送迎によってパートを早く切り上げなければならない場合など、朝8時~15時までしか就労できないとすると、その分収入が減り、月収は8万程度である。
    これは母子家庭だけでなく、父子家庭であっても同様の課題がある。津波で祖父母が亡くなり、実家を頼れない家庭も多く、このような事態を招いている。
4、里親家庭の課題
    里親家庭の事情は様々である。ある家庭では、自分の子どもが二人、弟夫婦の子どもが三人。狭い仮設で5人の子どもと夫婦、祖母で暮らしている、途中から世帯分離し、今は同じ仮設住宅の中で二世帯分を借りているが、片方へは寝に帰るだけで、通常は一箇所で暮らしている。経済的にも大変だと話していた。
    また、ある家庭では、弟夫婦の子ども二人の里親をしているが、奥様が津波で流されていることもあり、里親家庭でかつ父子家庭でもある。ただ、幸いなことに自分の子どもは巣立っているのと、男の子二人ということもあり、大変であるが、特に悩みなどはなく、生活できているとのことだった。
    祖父母が里親になっているある家庭では、震災とは関係なく、自分の娘が孫を置いていったということで、今は中学生になった孫を小さなころから孫を育てている。児童扶養手当などは、全部その母親のところに入り、自分たちは一切のお金を貰っていないということで、これから進学などのことを考えても、経済的にも不安でたまらないと話していた。
5、その他
    約100世帯の中で具体的な収入についてまで話をしてくれた中で、経済的支援が必要と思われる月10万円以下で生活している家庭は10世帯程度。ヒアリング出来ていない家庭も含めると20世帯近くにはなるのではないかと考えている。
    7月から戸別訪問を続けたことで、今では自治会長から「どこそこのお母さんが大変そうだから、様子を見に行ってやって欲しい。」というようなご相談もいただけるようになった。この辺りの住民は都心の人と違い、人見知りをするが、直接訪問を繰り返してきたことにより、心のうちを明かしてくれるようになったお母さんやお父さんが多く、ひとり親家庭の課題について具体的に把握できる関係を築けたと思う。当事者である母子家庭のお母さんの中にも、何度かメールや電話をくれたり、「うちに遊びに来て」と連絡をくれたりする方もいる。自ら携帯の番号を教えてくれるお母さんもいる。母子家庭のお母さんたちの多くが、相談する相手もなく、孤立しているのだと実感している。
◆今後の課題
    岩手県でも戸別訪問を行っている行政や団体はなく、行政や他団体からも話を聞かせて欲しいという連絡も少なくない。宮城県保健福祉事務所からの連絡で、職員にひとり親家庭への支援の方法をレクチャーして欲しいとの要望に応じたり、宮城県保健福祉事務所主催のイベントでは講師も勤めさせていただいた。また、仮設住宅自治会長への支援として、地域間連携を進めてきたこともあり、様々な地域の支援団体からも話を聞きたい、協力したいといった声が聞こえるようになってきた。

    日本の母子家庭の貧困率は48%。貧困の定義は年収117万円以下ということです。つまり一ヶ月10万以下の収入で生活している家庭が半数もあるということ。これは先進国の中で最下位です。ひとり親家庭の貧困』は全国的課題であることから、こういった実態そのものを、広く社会に啓蒙する必要があり、養育費についての法整備も必要と感じています。また、ほとんどの家庭が生活保護を申請していません。メディアで不正受給の問題が取り上げられたことによって、『生活保護=恥ずかしいこと』と感じている方が多く、それゆえに生活保護家庭の生活水準(月18万円程度)よりもはるかに低い水準の生活を強いられているのです。しかし、比較的児童扶養手当等を受給することには抵抗がある方は少ない。同じように生活保護と同等程度の、しかし、『ひとり親家庭』が堂々と受けられる支援の枠組みが必要だと考えています。


    2013年~2014年3月までのこの活動は、こども☆はぐくみファンド様日本たばこ産業株式会社様からの助成により活動出来ました。
    こども☆はぐくみファンド様日本たばこ産業株式会社様には心より感謝申し上げます。

    残念ながら、2014年4月からは活動資金が確保出来ていません。皆様のご協力を心よりお待ち申し上げています。


シングルママ、シングルパパ応援団 募集 (女性限定)

被災地のひとり親家庭のママやパパたちの応援団として参加しませんか?
被災者の方からよく聞く声です。「自分以上に大変な人が沢山いると思うと、自分だけ愚痴を言ったりはできない。皆誰かに話したくでも被災者同士では、なかなか話せないんだよね。。。」
こういった声を伺うたび、外部からの支援が必要なことを実感します。必要なのは個別支援だということも実感します。そのために、私たちは個別訪問を行ってきました。個別訪問を繰り返すことで、少しずつ心を開いてくれて、いろんな思いを話してくれるようになります。無理やり聞き出すようなことはしてはいけませんが、親しくなることで、これまで話せなかった辛いことなどを話せるようになるかもしれません。
周辺地域以外からご参加する方、現地までの交通費は自己負担ですが、宿泊は無償です。

被災地周辺の方、歓迎いたします。
東京近郊の方、タイミングが合えば、東京からの車に同乗可能です。その場合は交通費はかかりません。 ご興味のある方はoffice@motherlink-japan.orgまでご連絡ください。

プロジェクト運営ボランティア募集

企画や準備のお手伝いをしていただけるボランティアを募集します。
ご興味のある方はoffice@motherlink-japan.orgまでご連絡ください。




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